• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第31章 こっちを見ろ!!




—————


「あいつの、あんな顔は初めて見た」

「春人くん…」

「……ボク達は、プロデューサーに甘え過ぎていたのかもね。

彼なら、なんとかしてくれる。待ってさえいれば、当たり前に曲を持ってくる。いつだって最高の結果をTRIGGERにもたらしてくれる。
いつの間にか、そう考えてなかった?」

「あぁ。俺も、そう考えてた。情け無い話だぜ。
あいつだって、普通の人間なのにな。いつから、完璧なプロデューサーだ なんて考えちまってたんだろうな」

「そうだね。いつだって、春人くんは俺達を助けてくれたから。それが当たり前だなんて、思ってしまっていたんだ。
なら今度は、俺達が春人くんを助ける番だろう?」

「ふ、そうだね。いつも彼に、負んぶに抱っこ じゃ格好悪過ぎる。
これを持って、早く彼に会いに行こう」

「今となっちゃ、2週間前の龍に感謝だな!あの時に龍が提案してなかったら、これも用意してなかっただろうし」

「俺は、春人くんの為に何か出来ないかって考えただけだよ。2人も、そうだろう?
これが役に立つと、良いんだけどね…」



—————



どれくらいの時間、ピアノと睨めっこしていたのだろう。長かったにせよ、短かったにせよ。作業は一向に進んでいなかったが。

溜息を吐いた時、ドアがノックされた。

いつもなら、作曲中にノックの音がしたところで気付けばしないのだが。今日はハッキリと聞こえた。
それだけ集中出来ていないのだと思い知らされるのだった。

しかし、返事をする気にはなれない。
私が鍵盤を見つめたまま静止していると、扉は開かれた。

入って来たのは、私が今 最も迷惑をかけている3人だった。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp