第31章 こっちを見ろ!!
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翌日の昼。3人には私の仕事部屋に集まってもらった。勿論、出来たばかりの新曲を披露する為である。
社長にはまだ聞かせていないのだが、私は先に彼らに聞いて貰う事にしたのだった。
私はパソコンのあるマイデスクに着き、彼らはソファにかけている。
4人共、備え付けのテレビモニタに注目していた。
実は、今からIDOLiSH7の新曲が テレビにて初披露されるのである。
「あいつらも、同じタイミングで新曲か」
「オン大にノミネートされるには、今がギリギリのタイミングだから」
「俺達の新曲と、彼らの新曲の真っ向勝負だ!」
『ええ。でも、たとえ向こうがどんな曲を出してこようと、TRIGGERは負けない。そうでしょう?』
私は言いながら、テレビの電源を入れた。
まずはIDOLiSH7の新曲を聞いてから、次に私の作ったTRIGGERの新曲を聞こう。彼らとは、そうさきほど決めたのだ。
画面の向こう。すぐに見知った顔が現れる。
白を基調としており、羽をあしらった衣装だ。アクセントとして各々のメンバーのカラーが入っている。
「新曲に合わせて、衣装も新調してる」
「気合十分って感じじゃねぇか」
「皆んな、よく似合ってるね」
『羽の動きが面白いですし、これはダンスでも生きてくると思います。新曲への期待感が煽られますね』
軽くステージトークが行われた後、いよいよ新曲が披露される。
陸が声高らかに言う。
“ 聴いてください!IDOLiSH7の新曲…
《 JUMP!UP!》 ”
彼が その曲名を口にした時。
私は己の耳を疑った。