• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第31章 こっちを見ろ!!




今日はコースではなくアラカルト。前菜に、魚や肉。パスタなどがテーブルに並ぶ。
各々が食べたい物を食べたいだけ皿に盛り、口に運んでいく。

食事をしながらも、話が途切れる事はなかった。


「そうか。もう1年経つんだな。あんたがうちに来てから。早かったような、ゆっくりだったような」

「俺は凄く早く感じたよ。春人くんが来てくれてから、仕事がもっと楽しくなったんだ」

『そう言って貰えると光栄です』

「今年のブラホワは、優勝逃したけどね」


グサリと。天の言葉が胸に刺さる。

そう。去年は、男性アイドル部門の優勝を果たしたTRIGGER。今年こそはと、総合優勝を狙っていたというのに…

総合優勝どころか男性アイドル部門でさえ、賞を獲るに至らなかったのだ。
そして。彼らの代わりに賞を手にしたのは、IDOLiSH7であった。

最後の最後まで、どちらが勝つか分からなかったくらい 僅差だった。しかし、優勝を逃したという事実は確かなのだ。


「お前、親父に凄い絞られてたな」

『…思い出したら胃が痛くなって来ました』

「確かに悔しかったけど、悔いはないよ」

「ボクは、成長を感じた」


天が、真剣な瞳で私を見据える。


『え…成長、ですか?それは貴方の?』

「ボク達も確かに成長してるけど。それは、キミも同じだと思う。今年のブラホワを経て、そう思ったよ」

『それは、どういう…』

「だってプロデューサー、泣かなかったでしょ。今年は」


ニヤリとほくそ笑んだ天。彼の言葉に、他の2人も勢い良く吹き出した。


「っそうだった!去年はこいつ、一人で楽屋帰ってビービー泣いてやがったんだ!」

「あっはは。懐かしいなぁ。たしか、授賞出来なかったと勘違いしちゃってたんだよね」

「優勝出来なかったら、プロデューサーとして認めてもらえないって思い込んでね」


『……帰って、いいですか』

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp