第31章 こっちを見ろ!!
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ある夜。私はTRIGGERを集めた。
場所は、安くもないけど高くもない 普通の、ありふれたレストラン。
「珍しいね。春人くんが俺達を誘ってくれるなんて」
「明日って、野外ステージでしょ。雨だと困るんだけど」
「天の言う通りだ。どうしても降らせるんなら、せめてライブ開始の夕方までにしてくれよ?」
『明日の夜の降水確率は10%ですよ』降りませんて
私から、3人同時に声をかけたのは始めてだ。だから少しばかり緊張していたというのに。そんな気持ちなど一切知らないで、いきなり出鼻を挫いてくる。
『そんな言われ方をするなら、もう私からは絶対に誘いませんから』
「そう言うなって。冗談だろ」
「で?何か話があるんでしょ。なに」
楽と天が、私をぐっと強い瞳で見つめる。そう見られては、また緊張がぶり返してしまう。
家で、何度も台詞の練習をしたというのに…
言い淀む私を助けたいとでも思ったのか、龍之介が口を開く。
「そういえば、春人くんが俺達のプロデューサーになってから もうすぐ1年だな。
本当に早いよな、時間が経つのは」
『………』
しみじみ瞳を閉じる龍之介の隣で、楽と天は顔を見合わせた。そして、2人は同時にその視線を私に向けた。
「お、おい。もしかして…今日、ここに俺達を呼んだのって」
「まさか “ ボク達が出会って一年記念 ” とかって、お祝いする為…とか 言わないよね」
『………』カァ
意図も簡単に正解を言い当てられる。顔色が赤々と染まってしまうのを、私は止められなかった。
すると、こちらを見て
「お、おい!春人が…、春人がデレた!天!記念撮影だ!」
楽は叫び。
「………」
カシャシャシャシャシャシャシャ
天は無言のまま携帯でカメラ撮影(連写モード)
「うっ…俺は、俺は嬉しいよ。春人くんが、まさか こんなに俺達の事を思ってくれていたなんて…!」
龍之介は泣いていた。