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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第30章 あなたの夜のお供に♡モモちゃんでーす




たしかに百は、ただの1度も言っていない。今日の食事会が、権力者との会食である。などとは。
私が勝手に期待しただけ。そして、その期待が外れただけ。

そう。つまりは今日、私はここに ただ焼肉を食べに来ただけということ。百と、百の友達と、ただ単に肉を食べに来ただけ!という事態に落ち着いたのだ。

ともすれば、ここで肩肘を張る必要など皆無だということ。


『はじめまして。私は中崎春人と申します。ビールは瓶派で札幌が好きです。好きな肉の部位はタンとロースです。よろしくお願いします』

「店員さーん!!札幌ビールを瓶で!それに牛タンと上ロースを至急お願いしまーす!」


私の独特過ぎる自己紹介の後すぐ、百が廊下の店員に向かって叫んだ。



「あんなに焼肉仕様な自己紹介、初めて聞いたわ」

「あはは、本当に。面白い人だね」


希望通りの札幌ビールで乾杯をした後、私達は肉を待つ。


「そうそう!春人ちゃんは面白いの!何が面白いって、仕事モードと素モードの時のギャップが!」

『今日の集まり、仕事は関係ないと言ったのは百さんですよ。なら私はもう、気を使わないで肉を楽しませて貰います』


こうなったら、出来るだけ高級肉を腹に詰めて帰ってやる。
コネクションが得られない人間に対して、接待をする意味などない。
私は百の望み通り、彼ら3人とは対等に接すると決めたのだった。


「それでいいじゃん。てか、俺らは はなからそのつもりだしな」

「うん。そうだよね。百の友達は、僕達の友達だし。気を使われたら逆にしんどくなっちゃうよ」

「そうそう!!今日は仕事の事はパーっと忘れて、食えや飲めや歌えやの無礼講でよろしく!」

『歌いはしませんけどね』


仕事の事は忘れて…か。

接待ではなく、自分が楽しむ為の食事は いつぶりだろう。

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