第30章 あなたの夜のお供に♡モモちゃんでーす
「こんにちは。話は聞かせてもらったよ」
「ハロハロー!あなたの夜のお供に♡モモちゃんでーす」
「モモ。それじゃまるで静岡県の某有名お菓子みたいだよ?」
「ああアレ美味しいよね!オレもめっちゃ好きー!」
「あはは。お土産に貰ったらテンション上がりますよね」
『その話、ここでする必要が?』
ノックも無しに楽屋へ不法侵入を果たしたのは、もはや説明不要の Re:valeであった。
突如現れた2人に対し、ナチュラルな応対をみせる龍之介にも驚きだ。
「そうだよ。僕らは うなぎみたいなパイの話をしに来たわけじゃない」
「はっ!そうだった!
くそぅ、いくら春人ちゃんが ついついお尻触りたくなっちゃうぐらい可愛い女の子だからって!許せないよ!」
「可愛い女の子 “ みたい ” でしょ」
「おっとと。そうそう!そうでしたー」
『……』
「ねぇねぇ、オレが メっ!てしてあげようか?一体どこの、どのADが可愛い君にセクハラ働いたのかなぁ?」
「いや、それだと角が立つから…僕に任せてみない?
さ。良い子だから、その不届きなADの名前を言ってごらん?」
『…教えたら、どうするつもりですか』
「大きな声じゃ言えないんだけど。知り合いに、呪術に長けた人物がいてね」
「わーぉ!それなら安心だね!」
「ふふ。でしょ?」
どこが、何が安全なのか一向に分からない。
ずっと笑顔だった龍之介が、さらににっこりと微笑んで私に告げる。
「春人くんは、本当に愛されてるよね」
『重いんですよ!彼らの愛は!!』
まかり間違っても、この人達にADの名前を告げるわけにはいかない。それだけは分かった。