• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第29章 《閑話》とあるアイドルプロデューサーの休日




『あとは、服…ですかね。
もっと、体のラインが出る服を着た方が良い』

「え、でも私、その…。デブだから…。出来ればゆったりした服の方が」

『貴女は太くないです。骨格が逞しいだけですよ』

「た、逞しい…」

『だから、無駄な肉はそんなに付いていない。その証拠に、出るところは出てて、引っ込んでるところは引っ込んでるでしょう』


彼は躊躇する事なく、私の腰のラインを撫でた。


「ひやっ!?」

『何色が好きですか?』

「え?」


聞き間違いかと思った。このタイミングで、好きな色を聞かれるとは思わなかったからだ。

しかしどうやら、間違いではないらしい。彼の目が、じっと私の答えを待っている。

私が、えーーと、とか。うーーんと、とか唸っている間に、フロアはどんどん熱を上げていく。
ミュージックもダンスも、最高の盛り上がりに差し掛かっているのだ。もうすぐ、フィナーレを迎える。

そして、私がようやく答えを叫んだその時。


「えっと、じゃあ… 赤!!」


パァァン!
という破裂音と共に、パーティペーパーが視界を埋め尽くした。色取り取りの、紙吹雪やテープが頭上から次々に舞い降りてくる。

そして彼は、その中から1本の銀テープを指先で捉えた。そのテープの色は、私がさきほど選んだ赤い色。


『赤、良いですね』


流れるような動作で、テープが私のウェストラインに巻き付いた。それは、まるで私の為に用意された特別なリボンのようで。

腰のくびれを際立たせ、寸胴だったスタイルにメリハリを付けてくれた。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp