第27章 ワタシのガールハントセンサーも鈍ったモノです
「や、大和さんの気が変わらない内に…っ、相手先に了承のメールを送って来ますっ!」
「はいはい。ぜひ そうしてくれ」
「あぁっ、でもせっかく中崎さんが来て下さったのに、何のお構いも出来なくて!」
『私のことなど気にしないで下さい。それに、そのメール…早く送ってくださった方が、私も助かりますので』
「え?それは、どういう…」
「ほらいいから!マネージャーは行った行ったー。遅くまでお仕事お疲れさんっ」
「は、はい!では、中崎さんも皆さんも、失礼します!」
私達は全員で彼女を見送った。そして、パタンと玄関のドアが閉まった瞬間 4人は、私と大和に詰め寄った。
「大和さんっ!どうして急に映画の仕事受ける気になったんですか!?」
「いやいやいや!んな事より、ヤマさんとえりりんのさっきの会話の方が気になっから!!
なんで、あんなに怒ってたの!?取り引きって何!!」
「NO!!まず確認すべきなのは、春人氏がマネージャーをどう思っているかというところです!!」
「私は…とりあえず、お2人の関係を教えて頂きたいですね」
4人は各々のテンションで、私達を質問責めにした。大和は まぁまぁと言いつつ彼らをなだめようと努めている。
私も、だんだんと頭が冷えて来て思考が働くようになってきた。
よくよく考えれば、私と大和の口論は かなり際どい言葉が飛び交っていたように思う。あれを聞かれたのは、割と恥ずかしい…。が、まずいとは思わない。
なぜなら…多分IDOLiSH7のメンバーは、純粋な子が多い。きっとTRIGGERを欺くよりも簡単で、さきほどの喧嘩を誤魔化すのもさぞ容易いだろう。
「俺達は、ある取り引きを交わしたんだよ。なぁ春人」
『はい。私は、IDOLiSH7のリーダーである二階堂さんに、ある お願いをしました。
TRIGGERの更なる発展の為に、これからも皆さんとは懇意にしていただきたいと』
「そうそう。俺達からしても、TRIGGERと絡む機会が増えるのは願ったり叶ったりだしな。しかも、さらに俺の個人的な望みも叶えてくれるって言うじゃねえか。
んで、俺がこいつに要求した頼みごとってのが…
“ 台本の読み合わせに付き合って欲しい ” だったわけ」