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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第27章 ワタシのガールハントセンサーも鈍ったモノです




心なしか頬を朱に染め、俯く紡。その様子を見たメンバー達が、遠巻きに話す。


「えっと…僕の気のせいかな…?マネージャー もしかして、中崎さんのこと気になってるんじゃ」

「え。そうなんですか?」

「あはは。一織くんはもしかして、その手のことは鈍いのかな?」

「し、失礼な!私にだってそれくらい分かりま」

「あーりえませーーん!!ワタシ達のマネージャーが、あのような偽物外国人にココロ奪われてしまうなど!ワタシが悪魔と契約してでも防いでみせます!」

「そんな心配しなくても、ぜってー大丈夫なんだけどなー」だって女と女だし


4人が仲良く輪になって話している。その横で、私と大和とマネージャーは 相変わらず玄関先でゴチャゴチャとしていた。

マネージャーに 寮内へ上がるようにと促されたが、もうここに用は無い。優しい気遣いは有難いが、そろそろ帰らせてもらう。そう伝えようとした その時だった。

突如、大和が 何かを思い付いたように声を上げた。


「!! そうだ…、この手があった!
マネージャー!」

「ぅあっ!?は、はい!」


突然、大和に肩を掴まれた紡は 素っ頓狂な声を出す。

私は、これから大和が何を言うつもりなのか耳を傾ける。


「俺、映画の仕事 受けるわ」

「そうですよね。やっぱり映画のお仕事は…
って!!えぇ!?いいんですか!?」


「に、二階堂さんが…」

「ヤマさん、映画の仕事めっちゃ嫌がってたじゃん!!」

「本当ですよ!どうしたんですか急に!」

「AMAZING!突然の心変わりではありますが、ワタシ達にとっては喜ばしいニュースですね…!」


大和の言葉にはマネージャーだけでなく、4人もかなり驚いている。

それを見ていて、すぐに分かった。
大和は、今まで映画のオファーを断っていたのだと。理由は簡単だ。
父親と、繋がりたくなかったから。

しかし、私との取り引きの為に 今この場でオーケーしたのだ。


以上の事を、理解はしたが 分からない。
どうして大和は、そこまでして私の信用を得たいのか。私との取り引きなど、捨て置けば良いものを。

私が別れを告げた時、彼もただ さよならと そう答えれば…大嫌いな父親と繋がる必要なんて、なくなるのに。

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