第27章 ワタシのガールハントセンサーも鈍ったモノです
「OH…これぞまさしく、ピュアなラブです」ぐす
「え。泣けるような要素ありました?」
「イオリには、人のココロというものがありません!ワタシには、涙無くしては見れません。この美しいハッピーエン」
バァアアンッ!!
「ガフッ!」
『…離して下さいと、言ったはずですよ』
大和は、後ろにあった玄関扉に背面を強打した。私が、彼の腕の中にいながらも 思い切り突進したからである。助走がなくとも、それなりの攻撃力だったようだ。
「…美しいハッピーエンド、でしたっけ?」
「ワタシ、そんなこと言いましたか?」
玄関先で尻餅をついた大和は、自らの腰をさする。
「〜〜っ、すげえ力…!お前さん実はラグビー選手か何か…あ、腰痛いの治ってら」
『貴方に悪気が無かったのは分かりました。でも、もう信じる事が出来ないんです。
本当に…これじゃ抱かれ損です』
「抱いた本人の前で言うかね、そういうこと」
『とにかく、貴方が私との取り引きを継続してくれる気があるのかどうか…私にはもう分からなくなりました』
「じゃあ、俺はどうしたらまた あんたに信用してもらえるようになるわけ?」
『私にも分かりません。だから、私が貴方をまた信じても良いと思える日が来るまで、さようなら』
「待っ!!」
その時、そろりそろりと 玄関のドアが開かれた。入って来たのは、彼らのマネージャーである小鳥遊紡。
「あのぅ…さっき、バァァン!って凄い音が聞こえて来たんですけど、大丈…
え!?大和さん!?どうしてそんなところに転がっているんですか!?」
「あのねぇ…転がりたくて転がってるんじゃないの。もっと他に言い方あるでしょ」
「はっ!中崎さん!?どうしてこちらに!」
『勝手にお邪魔してしまい、申し訳ありません』
「いえいえ!!それは全然構わないのですが…ですが…!こんなにすぐ、またお会い出来るとは思っていませんでしたので 嬉しいです!
…って、あ、あれ??私 何を言っているんでしょうっ。すみません、自分でもよく分からなくて…!」
『??』