第27章 ワタシのガールハントセンサーも鈍ったモノです

—— 春人と大和が、部屋を飛び出す少し前
リビングにて ——

—— 環、壮五、一織、ナギ ——


「あーーーくっそ！マっジで ありえねぇから！！」

「まぁまぁ環くん、仕方ないよ。もう潔く諦めよう？ね」

「！四葉さん、逢坂さん、お仕事お疲れ様でした」

「OH、おかえりなさい。それにしてもタマキは、随分とご乱心ですね？どうしましたか？」

「あはは。それが実は…
今日から新発売の “ コンビニ限定 王様プリン スイートポテト味 ” が、見事にどこのコンビニでも売り切れてて」

「俺、今日はそれだけを楽しみに、仕事ちょー頑張ったのに！！どうしてくれるんだよー！俺はもう、プリンの口になっちゃってんだよー！」

「なんだ。いつものプリン病ですか」

「プリン病…恐ろしい病ですね」


「環くんの為に、マネージャーがコンビニ3軒も回ってくれたんだけどね」

「何が腹立つって、最後の一軒で、店員が言ってた事がまた腹立つ！！」

「WHAT'S？店員さんが、アナタに何を言ったのですか？」

「あぁそれがね、その店員さんの話では…
“ そのプリンなら、さっき とっても綺麗な男の人が、最後の一個を買っていったの ”
って、教えてくれたんだよ」

「プリンが欲しい人に向かって、さっきまでここにそれがあった事をわざわざ教えるなんて…。その店員さんは、なかなか非道ですね」

「だろっ！？いおりんもやっぱそう思うよな！？なんかさぁ！そんなこと言われたら、余計に食いたくなるっつーの！
綺麗な男だか、綺麗くない女だか知んないけどさ！とにかく悔しいんだよー！」

「タマキ、綺麗ではないレディなど この世に存在しませんよ？」

「あ゛ーー！もう！ナギっちのそういうの聞いてたら、余計に腹立ってきたじゃん！」

「OH…理不尽、ここに極まれり。ですね…」