第26章 居なくなっちまうんじゃねえの?
「とにかく、男のメンツを取り返すところからだな」
『まーたそんな事言って。何度でも言うけど、メンツが潰れたくらいで どうこう思うような子はIDOLiSH7にはいな』
「え?ああ違う違う。俺が言ってんのは、あいつらに対してじゃなくて、あんたに対してだからな」
『?』
「…あんな滅茶苦茶なので、終われないって言ってるんだよ」ぼそ
腰を強く引かれると、上向きに倒れ込む。後頭部は大和の手の平に覆われていて、ふわりと枕の上で手は離れた。
つぅ、と 大和の指がシーツ越しに私の肌を滑る。もどかしい感触が、胸元に伝う。
『っ、ちょ、んっ』
「今度は、優しくするから。いっぱい気持ちよくなって貰えるように努力もする。
だから、もう1回抱いていい?」
ちゅっとワザと音を立てて、首筋を吸う。
彼の手は、相変わらずシーツ越しに私を愛撫した。腰のくびれを撫で撫でと往復して触られる。
『や、待って、もう1回って…嘘でしょ、』
「嘘じゃねえって。あんな童貞野郎みたいなセックスしか出来ないって思われたままじゃ、情け無くて泣けちゃう」
童貞だなんて、とんでもない。
ゴムを付ける手際、服を脱いだタイミング、あまりにも自然で手早くて、それだけで彼が手練れだという事は分かっていた。
『思ってない、思ってないから!ちょっと待っ』
「待たない、待てない。
それに、お兄さんのイキ顔だけ見られたんじゃ恥ずかしいでしょ?
だから今度は、あんたのイク時の顔 見せてくれよ」