第24章 いい加減に白状すればいいのに
私がナギ達と話している隣では、天や陸、そして一織と環が歓談している。
同じように紙コップを持って、立ったままでの会話。
「それにしても、本当に助かりましたよ。一時は、衣装なしでのリハーサルを覚悟しましたからね」
「うん。でも、プロデューサーのお陰で、リハーサルから全力で挑む事が出来て良かったよ。
でもほんとに凄いね!中崎プロデューサーは!ねぇ天に…じゃなくて、九条さん」
「…………」
「てんてん?りっくんの事じっと見て、どした?怖い顔…なんか怒ってる?」
真剣な顔をして、陸を凄むように見つめる天。
朗らかな空気から一転、異様な雰囲気が漂う。談笑していた龍と三月も、思わず天と陸を注視しているようだ。
私も天が一体どんな言葉をかけるのか、耳を澄ます。
「陸、キミさ」
「は、はい!…何?」
「……長ズボン、似合うね」
「………」
「っぷ」
「ぎゃははは!てんてん、それ、ちょーおもしれー!」
どう答えて良いのか分からず、困惑する陸。我慢出来ずに吹き出す龍之介。そして、腹を抱えて爆笑する環。
真顔で陸をからかってみせた天。
短パン姿を見て、素敵な衣装ですね。と言ってしまった私と大差無いではないか。
いや、天の方が故意である分、些か酷い気もする。