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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第24章 いい加減に白状すればいいのに




マイクがオンになっているのを確認してから、声を入れる。


「すみません、もう一度お願いします!」


ボクのその声に、小鳥遊紡は弾かれるように顔を上げた。そして、もうIDOLiSH7のリハーサルへ向けて準備を始めていたスタッフも、騒めき出した。


「え、っと…今のリハ、僕の目から見てる限り完璧だったんですけど…もう一度、ですか?」

「はい…ちょっと、気になるところがあって…。迷惑をかけてすみません、もう一度 通させてもらっても大丈夫ですか?」

「あ、も、勿論です!頭からで良いですか?」


その彼は、再度 曲を流す為に音響スタッフの元へと走っていった。

その背中を見届けてから、小さく溜息を吐く。
すると なにやら、ねちっこい視線を感じたので横を見ると。楽と龍之介がニヤニヤと嫌な笑顔をこちらに向けていた。


「……なに」

「いや。実はお前も、春人に負けず劣らず甘いな と」

「違うよ。甘いんじゃなくて、2人は優しいんだよ。な」

「は?ちょっと何言ってるか分からない。
ボクは、完璧を目指してるだけ。このリハだって、まだ気になる部分があるから」

「はいはい。じゃあ王様の気がお済みになるまで、歌って踊りやりますよ」

「はは、勿論 俺も付き合うよ?何曲でも。何十曲でもね」



2曲、3曲と。普段よりも入念に挑んだリハーサル。4曲目の途中で、スタジオの扉が開かれた。
そこに立っていたのは、四葉環。彼は長い腕を使い、頭の上で丸を作っていた。

どうやら “ 衣装到着 ” のサインのようだ。


「—————♪」
(…全く、何をやってたんだか。
予定よりも随分と遅くなった理由、この後しっかり 問い詰めないとね)




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