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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第24章 いい加減に白状すればいいのに




リハを初めて、きっかり20分。
いつも通りの仕上がりだ。


「さすがTRIGGER!今日も完璧キレッキレ!」


リハ終了の空気が漂う。

隣に立つ楽が、流れる汗を 手の甲で拭いながら口を開く。


「…春人、まだ帰ってねえのか」

「ここにIDOLiSH7の子が 誰も来てないってことは、そうなんだろうね」

「っ…そんな!間に合わなかったのか、春人くん」


こちらを見上げる、マネージャーの祈るような表情。
その顔を見るだけで、衣装がまだ到着していないのだと理解出来る。


「ま、仕方ないんじゃない?こうなったのは、彼らの自業自得だ」

「おい天。お前、いい加減にしろよ!皆んなが協力して、何とかしようって頑張ってんだろ」

「ちょ、楽!」

「だから、それでも駄目だったんでしょ。大切なのは、過程じゃなく結果だ」

「なんだよ…その言い方はよ!お前は、助けたいと思わねえのか!

お前の弟だろ!」

「やめて。大きな声でそれ言うの」


ステージから見下げると、スタッフ達は片付けに追われていて、こちらへ耳を傾けている者はいないようだった。


「…よ、良かった…誰にも聞かれてないみたいだ」

「龍、今はそれより」

「はぁ…。楽、早くその手離してくれない?そんなふうに掴まれてたら、リハーサルの続きが出来ないでしょ」

「!?
リハの…続き…だ?」

「天…!
ははっ。やっぱり天は、天で天だな!」

「何それ、意味分かんない」

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