• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第23章 素敵な衣装ですね




マイク付きブルートゥースイヤホンを、耳にキツく差し込む。そして、なんともパンクなビビットピンクのバイクに跨った。

差し込んだキーを回すと、私の愛車とは比べ物にならないくらいの爆音でエンジンがスタート。


静かなバイクほど格好良い。が 信条の私にとって、この主張の激しいバイクには 正直少しテンションが下がった。
しかし、借り物に文句が言えるような立場でないのは重々承知だ。

短く切られたマフラーを見ながら、黙ってイヤホンマイクの音量を上げた。

と、その時だ。通話が繋がった。


『もしもし。さきほど話をした者です。
早速ですが、今どの辺を走っているか教えて下さい。それと、通って来たルートも可能な限り聞かせて欲しいのですが』


相手は、苦労しながらもタクシーの中から見ていた景色を話してくれた。
それを聞きつつ、私はとりあえず大通りにまで出る為ハンドルを回した。



『…はい、分かりました。今は交差点の伊紀国屋書店ですね。

私は今、バイクでそちらへ向かっています。もう少し私達の距離が縮まってから、改めて合流地点を決めましょう。
また後ほど連絡しますので、すぐ電話に出れるよう、携帯には気をつけていて下さい。ではまた』


聞いたルートを鑑みるに、タクシーは おおよそ最短ルートを通って こちらへ向かってくれていた。しかし、思っていたほど進んではないない。
これだけの時間を使って、まだ伊紀国屋書店にいるという事は…。どうやらタクシーの運転手は、きっちり法定速度を守るタイプの人らしい。

出来れば、もう少し飛ばしていてくれると ありがたかったのだが。
これは、なるべく早くタクシーと合流して、私が運んだ方が良さそうだ。


私は、ハンドルをより深く奥へ握り込んだ。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp