• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第22章 私にも、出来るでしょうか




『彼女は、わずか30歳で構成作家となっています。さらに最近の活躍は目覚しく、彼女の考えた企画は視聴者を惹きつける。実際に、手掛けた番組は高視聴率を叩き出していますからね。

親密な関係になったのは最近ですが…
実は、数年前から目を付けていたんですよね。彼女はまだ見習いでしたが。きっと近い将来、彼女の才能が芽吹くと。

あの人に、私なり天なりを気に入ってもらって、TRIGGERが番組に起用される。そこまでが私の思い描くプランです』

「ま、自分の打ち合わせ終わったのに直帰しないで、別番組に出るボク達のところへ挨拶に来てくれるってことは…
それなりには、そのプラン順調なんじゃない?」

「ほんとに、お前…愛されてるよな」


天の言葉も楽の呟きも、ほとんど頭に入って来なかった。

私は、唐突に理解した。
どうして ここ最近、春人の名前をよく耳にするのかを。

業界の人間が、彼の虜になりつつあるのだ。

彼は完璧に分かっている。自分に必要な人間が誰なのかを。
そして その人が、何を好み 何を嫌い、何を求めているのかを調べ上げている。

そう、彼は…


『…人は、人に愛されて なんぼですからね』


愛されるべくして、愛されている!



「でもよ、やっぱ…」

「引くよな」
「引くでしょ?」
「引くよね…」


TRIGGERは、口を揃えて言った。


「だよな!やっぱ引くよな!」

「小鳥遊さんは、さっきのプロデューサー見てて どう思った?やっぱり引いたよね」

「え?えっ、あの、私は…」

「大丈夫だよ!俺だって、未だに慣れないんだから!春人くんの、あの豹変っぷりには!」

「龍もそうか!オレも慣れねぇんだよ!特に、あの元に戻る時の “ すんっ ” って真顔になる瞬間!
毎回、あ そうだった。こいつ春人だったわって思い出すん」


「私にも、出来るでしょうか」

「「「『………え?』」」」

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp