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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第22章 私にも、出来るでしょうか




「はい。私も彼の噂はよく聞いていたので、気になっていました。今やTRIGGERとセットで、業界内での知名度を上げています。
ずっと、お話をお伺い出来る機会が欲しいと思ってました」

「マネージャーも、やはり意識していましたか…。
どうやって数多の業界人に 顔と名前を覚えてもらっているのか。
もしも、その辺りの話を聞き出す事が出来れば…きっと、私達のこれからに活かせると思います」


緊張の面持ちで、TRIGGERの楽屋前に立つ私とマネージャー。

ひとつ頷き合ってから、扉に手の甲を3回打ち付ける。

はい、と返事があってから、一拍置いてドアノブを引いた。


迎え入れてくれたのは、彼だった。


『え…あれ?』


扉を開けてくれた彼は、珍しく驚いた様子だった。その顔を見てすぐに分かった。
どうやら春人は、私達を待ち人と間違えて迎え入れたらしい。

一体 誰を待っていたのだろか?とか。
来客の予定があるならば、私達は邪魔かもしれない?とか。

気になる事は、あるにはあった。が、今はもっともっと気になる事柄がある。
それは…

彼の、口元にガッツリと付いているカレーだ!
それはもう景気良く、ごっぺりとルーが付着している!!


「かっ…!」

『か?』

「〜〜っっ!」
(可愛い人だな…っ!)


ここにも、可愛い生き物がいた。

オーベルジー二か!?あなたのその口元を盛大に汚しているのは、オーベルジー二のカレーなのか!?
そのあまりの美味しさに、口が汚れるのもいとわず がっついてしまったのか!?

…いけない。私とした事が、彼の意外な無邪気さに 取り乱してしまった。

とにかく ここは人として、指摘してあげなければなるまい。
いや しかし言いにくいな。こう澄ました顔をされると…
普通に “ 口元にカレーが付いていますよ ” などと、なかなか直球では伝えにくい。


「ふふっ。あの、口元にカレーが付いていますよ」

「!?」普通に言った!

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