第22章 私にも、出来るでしょうか
「え…、なんですか?その反応は」
「い、いおりんも…そんなに、気に なってんの?」
「まさか…!あなたも!?」
「お、おう…。めちゃくちゃ、そりゃもうめっちゃくちゃ!!気になってんよ!」
「そうでしたか…」
まさか、環も彼の存在をそこまで意識していたとは。春人がTRIGGERを押し上げた説なんて、私くらいしか考えていないと思っていたので、素直に驚いた。
「っ、いおりん!あのなぁ!言っとくけど、先に気になりだしたのは俺だかんな!」
「!そうなんですか?
そ、そうでしたか…まさか、私よりも先に…」
「もし、いおりんがライバルになったとしても…俺はぜってー負けないかんな!!」
「え?ライバル?何の話です?
普通こういう場合、私とあなたで協力して、彼を探る流れなのでは?」
「さ、探る?なんそれ、ちょっと…あれだな。
いおりんの、愛って だいぶん、歪んでんのな。そんなんまるで、ストーカーじゃん。ストーカーは犯罪なんだって、テレビで言ってた」
「はぁ!?」
いよいよ会話が成り立たなくなってきたその時。私達の間に入ってくれたのは…
「はいはーい、ストップ ストーップ!お2人さん、さっきっから見事にすれ違ってるから。ついに我慢出来なくなっちゃって、お兄さん会話に割り込んじゃったよ」
「ヤマさん…!」
「私達、すれ違ってましたか?」
「ものの見事にな」
苦笑いを浮かべ、大和は言った。
そして、話を整理する。
「タマは あのプロデューサーの事、好きだもんなぁ」
「ちょー好き」
「で、イチが言う “ 気になる ” は、好きって意味じゃない。多分だけど、あの人がTRIGGERにとってどういう存在か。この業界をどう立ち回ってるのか、気になるんだろ」
「はい、その通りです」