• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第18章 あれ?俺って…アイドルだよな




まさかとは思うが、私の買ったCDに…

いや、ありえない。私が取り置きを頼んだのは、当たりチケットを入れる前の物。
だから、ありえないのだ。

私が購入したCDの中に、チケットが入っているなんて。


私は、鞄の中に入れっぱなしにしていたCDを取り出すと、外装のビニールフィルムを荒々しく開封する。
そして腰掛ける事もせずに、急いでパカっとCDケースを開いた。


『………』


中に入っているのは、銀色に輝く盤と…。もうひとつ。

楽のイメージカラーである、グレーのチケット。Gaku Yaotome/Date Ticket と記載された紙が、私の手からヒラヒラと舞い落ちた。


『……なんてこった』


あまりの衝撃で、ぐらりと体が後ろに傾く。しかし、倒れている場合ではない!
私は、片脚を前に踏み出して ぐっと踏ん張る。


楽の悲しそうな顔、寂しそうな背中。それを思い出すと、自ずと体が動いた。

チケットの裏にあるURLにアクセスし、個人情報の入力。すぐ相手に渡せる用にまとめておいた提出資料に自分で記入して、身分証の写真を撮影する。

そして、事務所内にある衣装部屋へと駆け込んだ。

さすがに 外部の撮影用スタジオには遠く及ばないが、ここにも多少の衣装や化粧道具、ウィッグなどもそこそこ揃っている。


『…よし。これなら、いける』


普段の私なら、絶対に選ばないような派手目なワンピース。茶髪でショートボブのウィッグ。バッサバサの付けまつげ。
それらを確認してから、私は楽のいるレッスン室へと戻るのだった。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp