第2章 …なぁ。俺達、どこかで会ったか?
インタビュー内容は、自ずと1ヶ月後のブラホワの話になる。
「最近、ぐんぐんと知名度を上げているTRIGGERですが
今年はJIMAの新人賞を受賞されて、ますます勢い付いてますね!
1ヶ月後に迫った ブラックオアホワイトのチャレンジャー枠を勝ち取られたわけですが、もう勝負曲は決まっているのですか?」
そんなのは、俺達が知りたいくらいだ。
突然 中崎が現れて。自分が作った新曲を歌えとかふざけた事を言いやがった時は…
そんなもんは絶対ごめんだと思った。だが、目の前で努力を続ける奴を見ていたら
…ブラホワで、新曲を歌っている自分をイメージしているのだ。
もしかして…俺は、アイツに何か期待しているのか?
「……?八乙女さん?」
「一ヶ月後、期待してて下さいよ。とびきりの新曲をお披露目しますから」
「期待してて下さいよ」キラッ
「とびきりの新曲をお披露目しますから」キラッ
「おい!!やめろお前ら!」
帰りの車中。天と龍之介が、俺の答えた内容を キメ顔で真似やがる。
「いやでも実際、私も痺れたわぁ。さっきの楽の台詞♡」
「あはは…でももう、後戻り出来ないね」
その通りだ。アイツには、意地でも最高の新曲をあげてもらわなければならない。
「なんだかんだ楽は、彼みたいな人 大好物でしょ。熱血漢同士気が合うんじゃないの?」
「…そんな事ねぇよ」
「ふぅん…。まぁ、そういう事にしておいてあげるよ」
この野郎…。最近ますます天の可愛げが無くなってきてる気がするのは、絶対に俺の気のせいなんかではない。