第2章 …なぁ。俺達、どこかで会ったか?
3日。
この3日間で、作詞作曲とダンスの全てを仕上げる。
曲を作るには、彼らを詳しく知る必要がある。TRIGGERのイメージ…。大まかには理解しているつもりだが、個々を把握するまでには至っていない。
まず彼らの過去資料を全て漁るところから始める。
CDを聞き、雑誌を読み、DVDを見る。
そんな事をしていると、時間などあっという間だ。
「あら、3人仲良くダンスのレッスン?」
「…姉鷺。お前もグルだったんだな」
「何よ物騒な言い草ね。何のことかしら」
「えっと、中崎さんがプロデューサーに就任した事です」
「姉鷺さんも、ご存知だったんですよね」
「知ってたもなにも、アタシが見つけて来たのよ。
どう?かの…じゃなかった。彼は。優秀でしょ?」
「はっ。どこがだよ。あんな嫌味ったらしい女男、願い下げだ」
「あら、女男だなんて…。一瞬アタシの事を言われてるのかとドキっとしたわ」
(楽ったら、いいカンしてるわね)
「…ボクはこれで失礼します。練習で遅くなってしまったんで」
「お疲れ様♫あ、そうそう春人ちゃんね、まだ黙々とお仕事してるわよ?ちょっと声でもかけてあげたら?」
「冗談。アイツが勝手に言い出したんだ。3日で新曲あげるってな」
「んー、そう言わずに。ちょっと覗くだけでも。ま、アナタ達の自由だけどね。
じゃ、アタシも帰るわ。お疲れ様〜」
「……馬鹿らしい。俺は帰る」
「俺は、ちょっと様子を見て帰るよ」
「全く…お優しいね。龍は」