第15章 俺…もしかしたら…、ホモなのかもしれない!
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「ちょ…ほんとに待っ、春人く」
この期に及んでしのごの言う龍之介。私はすくっと立ち上がると、彼の長い足に 大外刈りを仕掛ける。
「うわっ!」
技が見事に決まり、龍之介は後ろにあったベットへダイブした。
すかさず私はその大きな体の上に陣取る。
『龍…、私の事 嫌い?』
私は出来るだけ女の子らしく、小首を傾げて上目遣いで見上げる。
「う、い、いや…嫌いなんかじゃ、ないけど!」
さらに顔を赤くして、視線を逸らされてしまう。だが、この反応は私の攻撃が効いていると言うことだ。
本当に私に襲われて気持ちが悪いと思うなら、もっと抵抗しているはず。しかしなんだかんだ龍之介は、ベットの上でじっとしてくれている。
もっと、女らしく振舞って。彼にも意欲的になって貰わなければ。
『…キス、してもいい?』
私は髪を耳にかけながら、ゆっくりと唇に 自分の唇を近づけていく。
しかし。私からキスはしない。触れ合うギリギリまで近づけて、あえて寸止め。
するつもりだったが。私が動きを止める前に、龍之介の大きな手が私の頭を包み、強引に唇を重ねた。
『んっ!?』
焦らすつもりであったのに、まさか彼の方から求めてくるとは予想外だった。私は驚きで目を見開く。
その間にも、龍之介の舌が唇を割って 口中に侵入してくる。
中に入り込んだ舌は、艶かしい動きで私の舌を弄った。
『っ、ぅ…んっ、 は ぁ、』
彼はこういう事に慣れていないはずなのに、与えられるキスは極上で。私は下半身が濡れるのを感じた。
アイドルは、本当に何でもこなしてしまう、センスの塊だな。なんて 朦朧として来た意識の中で考えた。