第15章 俺…もしかしたら…、ホモなのかもしれない!
私達はバーを後にして、とある場所にやって来た。
その場所は…。
「ちょっと春人くん!?どういう事!?なんで、
ホ…ホテルなんかっ」
『またまた。なんだかんが言いつつ、部屋までついてきてくれたじゃないですか』
そう。ここはホテルの一室。
安い場末のラブホテルでも、高級と名の付くような煌びやかなホテルでもない。私は一般的なビジネスホテルを選んだ。
彼をここに連れて来た理由は勿論、“ そういう ” 目的の為。
「だから、いくらプロの人だったとしても、俺は無理だって!」
どうやら龍之介は、私がこの部屋にプロのお姉さんを呼んだと思っているらしい。
しかし、そんな人は来ない。何故なら彼の相手をするのは…
『プロなんかじゃありませんよ。相手をさせてもらうのは、私ですから』しれ
「!?」しれっと、何をっ…
『プロ並みのテクが私にあるかどうかは…どうぞ、貴方が身をもって感じてみて下さい』
「な、…なっ、なにっ言っ」
見るからに混乱している龍之介が少し可愛くて、つい悪戯心が疼いてしまう。
『プロでもなければ、女でもない。私となら問題ないでしょう。
今日の撮影で、キスまでした仲じゃないですか』
「!!」
私は鞄の中から、今日の撮影で使ったウィッグを取り出す。うっかり返し忘れてしまった小道具が、まさかこんな形で役に立つとは思わなかった。
『ほら、こうすれば 少しは女に見えるでしょう?
何も、最後までしようだなんて言いませんよ。仕事の為の、ちょっとしたスキルアップの為だと思って下さい』
赤い顔で固まる龍之介の足元に跪く。そして太もも辺りを、ゆっくりと撫ぜる…。
『貴方はただ…何もしないで、じっとしていれば良いんですよ』