• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第15章 俺…もしかしたら…、ホモなのかもしれない!




そう。私が龍之介を探す理由は、食事に誘う為だ。


以前から、ずっと気になっていた。それは、

“ 彼の中にある、矛盾 ”


世間が求める、十龍之介と。本来の十龍之介。そのギャップに、彼は苦しんでいるのではないか。ずっとそう感じていた。

それは、今日の撮影でも顕著に現れていたと思う。

アクシデントで 女性との絡みがなくなり、代役が私となった時の 彼のほっとした表情。
その顔を見た時、私は思った。

龍之介の中で、TRIGGERの十龍之介を演じる事に 齟齬が生じているのではないか?と。

今から思えば、抱かれたい男ランキングの結果を見た時も様子がおかしかった。自分が2位に選ばれたにも関わらず、喜びよりも 困惑や不安といった表情が見てとれた。


『…このまま彼を放置するのは、危険な気がする』


私がそう呟いたと同時に、渦中の人物の背中が目に入る。


『十さん』


私はその背中に声をかける。
しかし。


「…………」


彼は私の声に気付く事なく、歩を進め続ける。
しかも、なんだかその足取りはふらふらと頼りなさげではないか。

もしかして…事は私が構えていたよりも深刻化しているのかもしれない。そう思ったら、居ても立っても居られずに私は龍之介の腕を掴んでいた。


『十さん!』

「!!!」

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp