第116章 心、重ねて
「ダメ。いくら陸のお願いでも、この人はあげられない」
『そうですよ。大体、IDOLiSH7は既に特徴のあるメンバーが勢揃いしているでしょう。私の入る隙なんてないくらい完璧に。
クールに腹黒、可愛い系にわんぱく、特殊系、エレガント、ピュアピュアと…』
「誰が腹黒だって?」
『自覚あるんじゃないですか』
大和は、乾いた声で笑った。陸は冗談か本気か、なんとまだ食い下がった。
「うぅ…。あ!食いしん坊キャラなんてどうかな!IDOLiSH7にはいませんよ!」
「はは!いいじゃん食いしん坊!なぁ、ちょっとやってみせてくれよ」
「ねぇ。うちのプロデューサーに変なことさせな」
『三月ーー!腹減ったよー!』
「やるんだ」ノリノリで
目を丸くする天。対する陸と大和は腹を抱えて笑っている。せっかくウケているので、もう少しだけエアIDOLiSH8の新メンバーを演じてみよう。
『もう腹が減って、とてもじゃないけどこの後のライブなんか出来ないって!っていうか、腹減り過ぎてこの場から1歩も動けない〜!お願い三月ー、今すぐ何か手料理食べさせて〜!』
ドサっと、何か物が落ちる音がしたのは玄関先から。私達4人は、一斉に音がした方へと視線を集める。もはやお約束。そこには、荷物を床に落とし驚嘆した様子の三月が立っていた。
『あ、いや。これは違、』
「ぇ…っと、冷凍庫に白飯があるだろ。あとハムと卵、ネギもちょっと残ってるから焼飯なら…。おし!すぐ食わせてやるから10分待ってな!」