第116章 心、重ねて
「いい加減にキミは、自分が幸せになる道に進んでくれない?焦れったくて仕方ないんだけど」
「天にぃは優しいから、中崎さんみたいに周りを優先しちゃう人が気になって仕方ないんだよね」
「べつに…そういうのじゃないよ」
「あはは!天にぃが照れてる照れてる〜」
なんと。天使はこんなところにいたのか。てっきり、雲の上のもっと上の方にいるのだとばかり思っていた。
乳繰り合うキュートな2人を前に、目をゴシゴシの擦ってから手を合わせた。そんな私を見て、大和は何やってんだかと呆れた声を出したのだった。
それから、ようやく本題へと移る。リビングテーブルの上には、衣装のデザイン画が所狭しと並んでいた。
『順調そうですね』
「またまた〜。初見ですみたいな顔しちゃって。うちのマネージャーから、進捗はしっかり知らされてるくせに」
「そうなの?」
『えぇ。でもやっぱり直に見たかったですし、それに何より貴方達の様子もこの目で確認したかったですから』
「中崎さん、絶対に忙しいのに…。わざわざありがとうございます。オレ達は絶好調ですよ!」
『ふふ。みたいですね』
大袈裟に力こぶを作って見せてくれる陸。その隣では、大和が含みのある笑顔を浮かべていた。
「へぇ。そりゃわざわざどーも。でもそんなに俺達のことが気になっちゃうなら、八乙女プロからウチに鞍替えすりゃいいのに」
「わぁ!それナイスアイデア大和さん!オレも、中崎さんと一緒に働いてるTRIGGERがずっと羨ましかったんです。
うん!IDOLiSH8、良い響き!」
『まさかのメンバー!?』