第115章 最高のアイドルを
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さらに、その翌日。同じ会議室に、昨日とは異なったメンバーが顔を突き合わせていた。
IDOLiSH7とRe:vale、それからŹOOĻにTRIGGERのリーダー達だ。そして、各グループのマネージャーが揃っている。各人の手元には、昨日の資料を改良したものが置かれていた。
私の隣に座る楽が、フルフェス?と1人小さく首を傾げるのを見た岡崎の2人が口を開く。
「あ、そっか!楽だけはまだ知らないんだ」
「はい。正式に確定したのは昨日ですし、そもそも最後まで渋っていたのは八乙女さんでしたからね。中崎さんも立場上、当人達にはお話しすることが出来なかったのでしょう」
そう。不確定な情報をアイドルに与えないというのは、私の信条だった。
『情報の整理も兼ねて、これからフルフェスについて全てを説明します』
そうして資料をめくり、説明を始めてすぐ。楽は我慢出来なかったのか、廊下にまで筒抜けてしまいそうな大声を出した。
「な、なんだこれ!すげえな…!!こんなことが、俺の知らないとこで進んでたのか!」
ツクモの2人は、そんな楽の様子を前に、歯を見せて笑う。
「ははっ、やっぱびっくりするよな。俺も初めて聞いたときは、そんな反応しちまったし」
「椅子から転げ落ちそうになってましたよね」
「ちょっ。そ、それは出来れば秘密の方向で…」
場が和んだところで、資料はもう1ページ進む。
『4グループが共演するライブなわけですが、会場は武道館を押さえてありま』
「武道館!?」
声を上げたのは、またしても楽。大和はそんな彼に、哀れみの表情を向けた。
「お前さん、本当に何も聞かされてねえのな。なんか可哀想になってきちゃったよ…」