第115章 最高のアイドルを
「式はいつ?誰を呼ぶのかもう決めた?IDOLiSH7の子達や、Re:valeさんには来てもらうよね?わぁ、きっと良い式になるんだろうなぁ」
「ははっ。龍は気が早えな!」
「仲人は誰にお願いするの?」
『ふふ、天までもうそんなことを。発表も数ヶ月先の予定ですから、式はもっと先ですよ。
でもそうですね。仲人か…』
顎に手をやって、うーんと唸る私に、楽は豪快に笑って告げる。
「結婚式ってのは女が主役だからな。 エリが思う理想の式を一緒に作ってこうぜ。だから、俺に気を使わないで好きなように決め」
『仲人、了さんだったら面白そうですよね』
場の空気が、音を立ててピシッと凍った。
楽が私の両肩に手を置いて、直近からとんでもない剣幕で凄む。
「お、男に二言はないし、希望は全力で叶えてやりたいと考えてるぐらいあんたのことを大切に想ってる。でも…一言だけ、言わせてくれ。
正気か?」
『正気じゃないに決まってるでしょう。全力の冗談ですよ』
「な、なんだ。冗談で良かったあ…!!」
「あの男が仲人を務めたりなんかしたら、うちの社長が泣くんじゃない?」
どことなく楽しそうに、天は薄く笑った。その横で龍之介が、そういえばと首を傾げる。
「公表まで随分と間を取るんだね。なにか理由があるの?」
「あぁ それはな。色々考えてのタイミングなんだと」
『えぇ。今日、岡崎事務所の社長がここに来るんですよ』
脈絡のない話の流れに、天と龍之介は静かに私の言葉の続きを待った。
『私の勘なんですけど、彼はきっと何かとんでもない土産(仕事)を持って来ますよ。それこそ、婚約発表だ挙式だと言っていられないくらいに』