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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第15章 俺…もしかしたら…、ホモなのかもしれない!




【side 八乙女楽】


「ねぇっ、さっきの絶対に寸止めしてなかったよね!」
「うん、私も本当にキスしてるように見えたっ」
「いいなぁ…羨ましい!あのモデルさん」
「ね。でもあのモデルさんどこ所属の人だろ…あんまり見ない顔だよね」


さっきから、スタッフ達は 龍之介のキスシーンの撮影の話で持ちきりだ。
まぁ ここでの受けが良いって事は、写真集を手に取るファンにとっても良い写真が撮れた思っていいとは思うが。


「……で?本当にしたのか、さっき」

「はぁ……」


龍之介はさっきからずっとこの調子だ。俺が何を聞いても溜息しか返してこない。
この感じは…マジなのか。本当に、この奥手なこいつが春人にキスを


『お待たせしました』


その時、トイレから春人が帰ってくる。すると、見計らっていたかのように龍之介が駆け寄って行く。


「あっ、春人くん、さっきは本当にごめん」

『何がですか?』


龍之介の謝罪に、首をかしげる。


『見事な寸止めでしたよ。撮れた写真は、本当にしているようにしか見えませんでしたが…』

「え、俺…寸止め出来てた?」

『出来てましたよ。結構なお点前で』

「そう…か。そうだったのか。俺はてっきり…」


どこかホッとした様子の龍之介。
結局キスは寸止めだったのか。なんだよ…びっくりさせやがって。俺も龍之介と同じように胸をなでおろす。

…ん?待てよ。なんで俺が安心してるんだ?


『八乙女さん』

「!!」

『次は貴方ですよ。十さんに負けないくらい、最高にセクシーなショット期待していますから』


いつもと変わらない、春人の強気な態度。でも今は、見た目がいつもとはあまりにも違う。

こういう気の強そうな女…俺の好みなんだよな。そんな考えが浮かんだ瞬間、ぶんぶんと頭を振った。

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