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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第2章 …なぁ。俺達、どこかで会ったか?




「おい」


彼らに背を向けて歩き出した私を、楽が呼び止める。


『何か?…あ、もしかして親睦を深める為に 歓迎会でも開いてくれるんですか?』

「そんなわけねぇだろ!やっぱりおまえ、自意識過剰だな」

「姉鷺さんは?」


天が短く言った。どうやら、楽が私を呼び止めた理由も その質問をする為だったらしい。


たしか約款に、姉鷺は私の補佐として マネージメントを手伝ってくれる事になっていたはずだ。


『…そうですね、基本的には 貴方達のマネージャーのままという認識で良いと思います。

ただ、受ける仕事を選んだり スケジューリングをするのは私になります』

「ああそう」


人が丁寧に答えたと言うのに、愛想も何もなく天は一言呟くと この場から立ち去ってしまった。


『…まだ納得は出来ないかも知れませんが、大人の事情です。なんとか飲み込んで下さい』


一番 理不尽な立ち位置に置かれている私が、こうして飲み込んでいるのだから。


「「………」」

『あ、私が曲を作ってる間も ダンスや歌のレッスンの時間は取って下さいね』

「い…言いたいことはそれだけかよ…っ」イラァ

「あ、あはは…えっと、中崎さんも曲作り頑張って!」





2人から激励?を受け取った私は、その足で資料室へ向かう。

無機質なグレーのラックに、綺麗に整頓されている膨大な資料。


『…この中から探し出すのは骨が折れるな…』


まぁ、愚痴っても仕方がない。千里の道も一歩から。とりあえず手を動かすとしよう。


「あら、やっぱりここにいたわね」


私の後から資料室に入ってきたのは、姉鷺だ。

彼は両手いっぱいに、これまた莫大な量の雑誌やDVD、CDを抱えていた。

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