• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第113章 もう一生、離さない




どこに向かうのだろう。窓の外を走る景色を眺めていると、左に座る楽が口を開く。


「わざわざ着替えてくれたんだな」

『え?あ、うん。社長にアドバイスを貰って』

「そうだったのか。べつに、どんな格好をしてても良かったのに。中身があんただったら、俺はそれだけで良い」

『へぇ?じゃあ楽は、春人に愛してるって言える?』

「言えるよ」

『じゃ、じゃあ、春人にキス出来る?』

「出来る」


真剣な顔を前へ向け、ハンドルを握る楽。こうも迷い無く言い切られては、もう何も言えなくなってしまう。
そもそも愚問だったのだ。私はとっくに知っているではないか。楽がLioを、エリもそして春人をも、心から愛していることなんて。

困る楽が見たいと思ってした質問で、自分の首を絞めてしまう結果となった。
もしも取り乱した彼が見られたなら、私は心の平穏を少しでも取り戻せたかもしれないのに。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp