第110章 どんな時もそばで
虎於が、皆んなをある場所へと案内する。そこは小さなパーティ会場であった。赤い絨毯が敷かれていて、色んな種類の料理や飲み物が用意されている。25人の、小さな宴会が始まった。
小鳥遊社長、紡、八乙女宗助、岡崎凛人、それから姉鷺と士郎は、アルコールなどを片手に談笑をしていた。そこへ私が加わり、今回のことに関して丁重に礼を告げる。皆んな、気にしなくても良いと笑ってくれたのだった。
それから、私はRe:valeの元への移動した。2人は、私に自分達の社長を紹介してくれる。彼に対し、おかりんを縦にシュッとした感じですねと私が感想を述べると、3人は愉快そうにけたけたと笑った。
そして、ŹOOĻと了のところへ移る。了は、私のさきほどの泣きっぷりを揶揄った。巳波もそれに乗っかり、写真を撮っておけば良かったなんて言い出す始末。悠は、了に対し何か不満がある様子。それについて虎於に訊かれた悠は、ぽつりぽつり話し出す。自分達も私の為に一生懸命考えて声明文を書いたのに、了はそれについて触れなかったというのだ。了は全力で、とぼけてみせた。そんなやり取りを見ていたトウマは、肩を揺らして笑っていた。
そんな中、次は楽しそうな7人組の方へと足を運ぶ。一織はスマホを取り出して、私にラビッターのリアル投稿を見せた。大和がそれを覗き込み、Lioに対する世間の声を読み上げる。肯定的な声が増えていたのを聞き、三月は涙ぐんだ。それを見たナギは、貰い泣きをしていた。そんな2人の背中を、壮五が優しくさすってやる。
その隣で、環はデザートにプリンがないとショックを受けていた。私と陸は、悲しみに暮れる環の為にと代わりになるデザートを見繕ったのだった。
それらがひと段落してから、TRIGGERの元へ向かった。3人は私をお疲れ様と労い、優しく迎え入れてくれる。その笑顔を見たとき、私は初めて安堵した。
ようやく、全てが終わったのだと。これからも、彼らの隣にいることが許されたのだと。
私は、たくさんの人達の手によって救われた。これまで大切に紡いで来た縁。それの強固さを、今日ほど思い知った日は なかった。
誰が最初に提案したのか、集合写真を撮ろうという流れになった。たとえこれから何ヶ月、何年、何十年経とうと、今日の記憶が色褪せることは きっとないだろう。
