第110章 どんな時もそばで
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「はぁ。それにしても、アンタ達とんでもないこと考えつくわね。記者会見のジャックなんて、前代未聞よ!」
「あはは。姉鷺さんも、俺達の我儘を聞いてくださってありがとうございます!」
「そりゃね。あの子と一緒にアンタ達を、共倒れになんてさせられないもの」
「安心しろ。俺達は絶対に、倒れたりしない。それに、倒れないのは あいつも同じだ。今度こそ、俺のこの手で 守ってみせる」
「俺 “たち” の手で。でしょ。なに1人で戦ってる気になってるの」
「そうだよ楽!この戦いは、エリと俺達TRIGGER。それに、協力してくれた皆んなのものだ」
「分かってるよ。悪かった!」
「それにしてもよ!こんなこと、あの子が知ってたら、絶対に許さなかったでしょうね」
「それは間違いないですね!だからこそ、エリには内緒で進めてきたんです」
「ふふ。それに彼女は、今まで何度もボク達に秘密で色々ととんでもないことしてくれましたから。これくらいの仕返し、許されて然るべきでは?」
「ははっ!だな」
「っ、来た!一織くんからの合図よ!アンタ達、準備はいいわね?カメラ、繋ぐわよ!」
「おう!」
「大丈夫です」
「お願いします!」
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真っ白なプロジェクターに浮かび上がったのは、3人の姿だった。まだ姿が映し出されただけなのに、目と鼻の奥が熱くなった。
彼らがこれから何をするつもりなのかという、不安。彼らの覚悟を決めた表情を見て募る、焦燥。両目を塞いでしまいたいくらいの、恐怖。
もう、感情がぐちゃぐちゃだった。
《 突然のことで皆様を驚かせてしまい、申し訳ありません。TRIGGERの九条天です。無礼は承知で、お願いします。どうかボク達に、少しだけ皆さんの時間を下さい 》