第15章 俺…もしかしたら…、ホモなのかもしれない!
女性モデルの顔は、どうせ写真集には載らないのだ。ならば、別に誰でも良いではないか。
例えば、そう…。私でも。
『…私が代役を務めます』
「「………は?」」
既に現場は、長い休憩に入る準備を始めている。私はカメラマンを捕まえて話をつける。
『すみません、すぐに代役の女性を連れて来るので 撮影の準備を始めておいてもらっても良いですか?』
「だ、代役って…、そんなにすぐ見つかるの!?すぐってどれくらいよ!?」
私が女に戻るまでの時間は…せいぜい15分もあれば十分だろう。
『15分で連れて来ます』
私は足早にスタジオから出る。そして、向かったのは、衣装などが置かれたメイクルーム。
そこには多種多様な衣装が揃っているのは勿論の事、様々なカラーや長さのウィッグも取り揃えられていた。
とりあえず、一番長いウィッグを手に取る。色は黒で、長さは腰くらいまである。それを今私がつけているウィッグと交換する。
それをカポッと頭に被るだけで、随分と女らしく見える。
衣装は、彼らを邪魔しないよう、シンプルな白のワンピースをチョイス。サラシを取れば、胸は自然と膨らむ。
『…問題は、メイクだなぁ…』
とりあえず、今の男っぽく見せているメイクは一度落とす。そして、出来るだけナチュラルメイクを心がける。
あまりガッツリとキメてしまうと、Lioの顔に近付いてしまう。そのせいで楽達にバレてしまっては大変だ。