第109章 ……………あ
「あ、ごめん。ボクにも電話が……」
「?どうぞ、お気になさらず出ていただいて構いませんよ」
「……スピーカーにする。話さなくていいから、キミも聞くだけ聞いてて」
「えっ、ちょっ、どういう意味なん」
《 月雲了だ!!》
「「……」」
《 あれれ?おーい。もしもーし 》
「どうしてこの番号を知っているのか気になるところではあるけど、そこは今は聞かないでおきます。
それよりも、どうしてエリではなくボクの携帯に?」
《 ふふ、決まっているじゃないか。勿論、彼女抜きで話がしたかったからだよ。九条天くんと、和泉一織くんにね 》
「…内容を伺います」
《 彼女は今、虎於と電話中だ。勿論、虎於に時間稼ぎを命令したのは僕。おそらく、もって後10分が限度だろうね。だから時間がない。残念だけど、お遊びなしで単刀直入に言うよ?
記者会見は、このままじゃ失敗すること間違いなしだ 》
「!!」
《 おそらく、IDOLiSH7のブレーンの彼は気付いているよ。今のままでは、彼女の努力も虚しく作戦は上手くいかない。Lioの悪いイメージ払拭は叶わず、TRIGGERも八乙女プロも火の粉を被ることになるだろうね。
さて、ここからはキミにも分かる簡単なお話だ。自分のせいで、TRIGGERが世間からバッシングを受けるかもしれないと悟った彼女は…どういう行動に出るでしょうか!》
「……九条さん」
「エリは…ボク達の…TRIGGERの前から、姿を消す」
《 うんうん!大正解だね 》