第104章 爽やかな笑顔だな
さて。彼女の出番はまだ終わらない。他の参加者よりも知名度があるKeiには、この後 特別な時間が設けられている。
「これまでの活動の中で、Keiさんは素顔を明らかにしていません。しかし、今日、なんとこの場で!そのベールが明かされます!」
スタッフを始め、雛壇の参加者達、そしておそらくテレビの前の視聴者も、瞬きを忘れていることだろう。それは私も同じ。
Keiがゆっくりと、自らの面に手をやった。まるでスローモーションのように、謎に包まれていた素顔が晒される。
カシャンと それは音を立てて、彼女の手から滑り落ちた。
「…っ!!」
楽は、席から立ち上がる。
天と龍之介は、丸くした目を私の方へ向けた。わざわざ確認しなくても、私ならここにいる。
しかし、彼らがそうしたくなるほどに…
Keiの顔は、Lioに酷似していた。