第104章 爽やかな笑顔だな
雛壇に並ぶ、参加者総勢20組。注目株であるKeiは、最前列中央に位置を構えている。TRIGGERは、そこから少し離れた場所に揃って座った。
そして、これから新人アイドル達がパフォーマンスを披露することになる共通のステージに光が満ちる。
いよいよ、生放送のスタートだ。
司会者が、番組名をタイトルコールする。カメラが舐めるように雛壇をなぞった後、TRIGGERを捉える。
「本日はゲストに、TRIGGERの皆さんにお越しいただきました。九条さん。まだ陽の目を見ていない彼、彼女達の中に、未来のトップアイドルはいると思われますか?」
「勿論です。皆さんがいつか、TRIGGERを脅かすような存在になってくれれば嬉しいですよね」
「あはは、そうですね!今日は、よろしくお願いいたします」
「はい、よろしくお願いします」
そんな調子で、楽と龍之介も挨拶コメントを終える。そして一度CMを挟んだ後、早くも1組目のアーティストのステージが始まった。
それでなくても大舞台でのパフォーマンスに不慣れな卵達。しかもトップバッターとあっては、緊張しない方が無理だろう。しかし、ベテランにはない初々しさが彼らにはある。
こういった発掘系の番組は特段珍しくないが、やはり良い物だなと私も鑑賞させてもらうのであった。
その後も、続々と参加者達は出番を終えていく。その都度、司会者はTRIGGERにコメントが求めた。時には1人分だったり、2人分だったり。
彼らは基本的に、褒め言葉や今後の活動を応援する旨の言葉を贈った。しかし、本当に光る物を持つアーティストに対しては あえて厳しめのコメントをする。きっと、いつか同じ世界で仕事をしたいという、彼らなりのエールなのだろう。
ここまで上ってこいという想いのこもった言葉は、参加者の胸にも届いたと思う。