第104章 爽やかな笑顔だな
「あ、いや…悪いな。俺も、知らない。っつーか、俺の方が知りたいぐらいなんだよ」
「……なんだ。知らないんだ…。じゃあ貴方は、Lioの何?どうしてLioを探してるの?」
「今は友達だ」
友達だったのか。
「探してる理由は、愛してるからだ」
相変わらず、愛だとかをペロっと言ってのけるのだから堪らない。
「えぇ!?嘘、でしょ!?」
Keiは今までで一番の大声を上げた。驚くのも無理はない。あのTRIGGERの八乙女楽に、想い人がいるのだと聞かされては。しかも、本人の口から。
「ちょっと。簡単にそういうこと口にしないで」
「そ、そうだよ楽!もし噂が広まっちゃって、スキャンダルになったりしたら大変だろう!?」
「本当のことなんだから仕方ないだろうが!」
「うそ嘘ウソっ、本当に?信じられない…こんなことって…」
Keiは手足をばたつかせ、次の瞬間とんでもないことを叫ぶ。
「わ、私も!私もLioのこと、もうめちゃくちゃ愛してるのーー!!」
「「「『 は? 』」」」
「初めて会えた!彼女を好きだった人に!だって、そもそもLioは存在自体がほとんど知られてないから!好きだって言ってくれる人に会えるなんて、もう奇跡みたい!!」
「お、おう…」
彼女が驚いていたのは、楽に好きな人がいるというスクープではなかったらしい。まさかの、Lioを知っている人物に出逢えた衝撃でおかしくなっていたのだった。
それにしても、他人の圧に引いている楽の姿は珍しい。さて、この場をどう収拾したものだろう。