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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第104章 爽やかな笑顔だな




しばらく時間を潰すも、楽のそわそわが収まる様子はない。
きっと今頃、リハーサルが始まっているはずだ。ここでじっとしていても、新事実が分かるはずもない。それに、早く彼女の生歌を聴いてみたかった。もしかすると、そこに何かヒントが転がっているかもしれないから。


『リハ、覗きに行きます?』

「え、いいのか?」

『はい。制作側の許可は取っていますから』

「なら行こうぜ、今すぐ!」


案の定、楽は一番の食い付きを見せた。天も龍之介も引き連れて、私達はリハが行われているスタジオへと向かう。

急ぎ足で到着したスタジオ内では、リハーサルの真っ最中だ。私はこそっとADに話しかけて、リハの出順が書かれた用紙を見せてもらった。それから3人の元に戻り、いま知った情報を共有する。


『Keiのリハ、まだ1時間ほど後ですね。せっかくですから、他の方のリハーサルを見学して待ちましょうか』


この提案を、彼らは受け入れた。
今回の企画に参加する人間の数は、20組以上。それだけの数がいれば、当然 1組に与えられる時間は少なくなる。その少ない時間で場の空気に慣れようと、参加者達は必死だった。


「…っ、はぁ。ドキドキするなあ」

「龍が緊張してどうするの」

「だって…!」


龍之介の気持ちも分かる。
満足のいくパフォーマンスが出来て、ほっと息を吐く者。思うような仕上がりとはいかず、悔しそうな者。いずれにしても、初めての現場に四苦八苦する彼らは どれも見ていてハラハラする。

そしていよいよ、私達が目当ての人間がステージに上がった。

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