第103章 ただいま
「ふふ。冗談はこれくらいにして、そろそろ本当に呼んであげようか。もしかすると、裏で帰り支度しちゃってるかもしれないから」
「それは困る!
てことで、本日のゲスト!皆んな大好きキラキラアイドルの、TRIGGERでーす!」
名を呼ばれたTRIGGERの3人は、拍手に応えるように手を上げながら登場した。
「呼んでもらえて良かったです。あと少しで、帰ろうと切り出すところでした」
「あっはは!遅くなっちゃってごめんねー、天!」
3人は、その流れでいつも通り挨拶をする。その後5人は、ようやく椅子に腰掛けた。
「こうやって、5人でカメラの前に立つのも久し振りだよね。なんか、そう考えただけで涙が…!」
「百さん…、俺達も、またこうしてお2人と仕事出来るのを心待ちにしていました。本当に、きっと色々と…大変でしたよね」
明らかに言葉を濁した龍之介に、千がカラっと笑って告げる。
「はは、言葉を選ぶ必要はないよ?これは僕達の番組なんだから。ほら、全部言ってごらん?
ツクモプロの月雲了のせいで、自分達もRe:valeも独立とか解散に追い込まれて、今でも殺したいぐらい腹が立ってるって」
「うわーー!カットで!!今のところ、全カットでお願いしまーーす!」
「全部切るの? “ ピーー ” でなんとか使えない?」
「 “ ピーー ” が使えるのはせいぜい1箇所か2箇所くらいだからね!?」
今の千の一文に ピーーを当てるとなると、7.8回は必要だろう。
まぁ、本気で今のを電波に乗せようと考えた訳ではないと思う。きっと千も、久し振りの愛着ある番組収録を、全力で楽しんでいるに違いない。