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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第103章 ただいま




翌日。まだ半信半疑だった私の前へ、本当に後任者が現れた。


「こんにちは。僕が貴女の後を引き継ぎ、ŹOOĻのマネージャーを担当する運びになりました。いや、聞いていたよりも引き継ぎ時期がずれ込んだようですね。了くんに担がれているのかと疑い始めたところでした」

『そ、それはご迷惑を…というか、貴方は』


彼とは面識があった。相手も “はじめまして” ではなく “ こんにちは” というワードを選んでいる辺り、私の気のせいではないだろう。


「改めまして、宇津木士郎と申します。こうして名乗らせてもらうのは、初めてですね」

『そう、ですね。私は中崎春人です。よろしくお願いします』


そうだ。この優しくも妖艶な微笑みを見て思い出した。彼と出逢ったのは、私が心身共にグッズグズになっている時だ。
【98章 2385ページ】

頭も死んでいたので記憶は虚ろだが、みっともない姿を見せたことは覚えている。もう少しまともな初対面を迎えたかったものである。


「先日 行われたŹOOĻのライブ、僕も会場で見させてもらいましたよ」

『そうだったんですね。どうでしたか?』

「どうでしたも何も…
もう、最っ高でした!なんですか、あの魅力的なパフォーマンス!そして圧倒的な実力に、クールでダークな唯一無二の雰囲気!一瞬にして、ŹOOĻの虜にされてしまいました。あぁ、ŹOOĻ最高。大好きです…!」


見た目や話し口調とは裏腹に、彼はユニークな人物なのかもしれない。

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