第102章 ŹOOĻ!ŹOOĻ!ŹOOĻ!
「なぁ。今から俺に付き合えよ。幸せな時間をくれてやる」
『はい?』
唐突な虎於の言葉に、首を傾げる。
「トラ…お前は何で、そう卑猥な誘い方しか出来ないんだ」
「本当にそう。普通に、打ち上げやろう!でいいじゃん!」
「あわよくば、2人きりで過ごせないかという欲が見え透いた誘い文句でしたね」
そうか。打ち上げか。
基本的にはドライな彼らも、こうして徐々にグループ仲を深めていくのだろう。そして、その中に私も含めてくれるいう。
おそらくだがこういう機会は、私にとってそう多く残されていないのだと思う。
『いいですね。行きましょうか』
「ほんと!?やった!
あ、いや…べつに、そこまで嬉しいわけじゃないけど!」
「出たな!ハルのツンデレ!」
「どこに行きましょう?御堂さんなら、良いお店をご存知なのでは?」
「あぁ、勿論だ。とっておきの店に招待してやる」
私は小さく、あの…と声を上げる。
『出来れば、飲みよりご飯の方がありがたいです。私もう、お腹ペコペコで』
「そうか。何が食いたい?」
『何でもいいですが、イタリアンとか?』
「この時間だと、もうほとんど閉店してるな。
だが問題はない。少し待ってろ。電話して店を開けさせよう」
虎於が携帯を取り出したのを、他のメンバーは阻止した。私も運転中でなければ、参加していたことだろう。
「これだから金持ちのやる事は!わざわざそこまでしてくれなくても大丈夫だ!」
「狗丸さんの仰る通りです」
「そうは言うが、もう22時を回ってるんだ。こんな時間から入れるイタリアンなんて、まぁないだろう」
悠が、じゃあさ。と提案する。
「サイゼは?」