第102章 ŹOOĻ!ŹOOĻ!ŹOOĻ!
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ŹOOĻメンバーは無事にライブを終え、関係者への応対も終え、私の運転する社用車で帰宅途中だ。
話題は当然、さきほど私が目の当たりにした出来事についてである。
「そっか…!了さん、オレ達のライブそんなに楽しんでくれたんだ!うわぁ、ヤバイ!めっちゃ嬉しい!」
「ほんと、良かったよなぁ。でも、控え室には顔出してくれなかったな。会いに来てくれりゃ良かったのに」
「照れ屋さんですからね。来辛かったのでしょう」
「だが、これで俺達はこれから心機一転、まともな道を歩いて行けるわけだ」
そうなるだろう。さらに言えば、TRGGERが妨害されることもなくなり、IDOLiSH7もツクモに怯えなくても良いし、Re:valeが岡崎に戻れる日も近いと思われる。
何を隠そう私も、Lioとして再デビューしなくても済んだわけだ。
「でさ、春人…。九条は?怪我とか、大丈夫だった?」
『あぁ、伝えるのが遅くなってごめんなさい。さっき連絡があって、精密検査も問題なかったそうです。今日は病院で過ごすことになりましたが、明日の夜には退院。明後日には仕事復帰だそうですよ』
それを聞いたメンバーは、ほっと胸をなでおろしていた。そんな彼らに、私は御礼を告げる。
『貴方達が、私を天のところへ向かわせてくれたこと。とても感謝してます。本当に、ありがとうございました。しかし、大事な局面で現場を離れてしまい申し訳ありませんでした』
「ははっ、水臭えこと言うなよ!俺達は仲間だ。離れてたって、気持ちは繋がってる!俺達は全員、そう思ってるぜ!」
トウマは、眩しい笑顔で告げた。しかし、他のメンバーは座りが悪そうに顔を伏せた。
こんなふうに、少し恥ずかしいことを真っ直ぐと言ってのける彼は、楽にとてもよく似ていると思う。