第102章 ŹOOĻ!ŹOOĻ!ŹOOĻ!
確かに、彼が犯した罪は消えることはない。だが、たとえ警察に連行されたとしても、結局は同じだ。何も変わらない。根本を変えなければ、結局は堂々巡りになる。彼の闇を取り払わない限り。
それが、もう少しで叶うというのに!
『少しだけ、待っていただくことは出来ませんか』
「おかしな事を言う。君は、被害者だろう。随分と振り回されているように思っていたが」
『否定はしません。ですが』
「Re:valeの百宅に押し入った者とは既に話がついた。了に強要されたと白状したよ。それに、君の古巣の看板アイドルも…大変なことになっているそうじゃないか」
了によく似た瞳が、私を鋭く睨み付ける。
それにしても、流石に耳が早い。この業界の必然のようなものであるから、仕方ないかもしれないが嫌になる。
『まだ、彼の差し金と決まったわけではありませんよ』
「あいつに決まっている。すぐにそちらの方も証拠が出るに違いない。叩けば埃の出る身だ。時間の問題だろう」
『…貴方は、言葉は通じるけれど話が通じない』
「言葉も話も通じない弟よりはましだと思うが」
私はぎっと奥歯を食いしばり、男に背を向ける。こうなったら、警察よりも早く了を見つける。そして、その後はどうしよう。いや、こんなことは探しながら考えよう。とにかく、了と話をしなければ。
「分からない女だな。Re:valeもTRGGERも、被害者のはずなのに。どうして了をそこまで庇い立てするのか」