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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第101章 運命の相手には、いつ会えるか分からない




メンバー達は、不意打ちの来訪者に身構えた。
実は、Re:valeへの謝罪はもう済ませてある。彼等たっての希望で、私が場を設けたのだ。それでもやはり罪悪感を拭うことはまだ出来ておらず、皆 千を前に尻込みしていた。
仕方がないので、私が代表して全員が思ったであろうことを問い掛ける。


『千さん、どうしてここに。お仕事ですか?』

「今日はプライベート。流石に、まだ局に呼んでもらえる立場じゃないから。誰かさん達のおかげでね」


微笑みを浮かべながらも、毒を吐く千。4人がまた一歩、後ろへと引いたのは言うまでもない。
最初こそヒールを気取っていた彼等だったのに、よくもここまで丸くなったものである。


『あまりうちの子をイジメないでもらえますか』

「うちの子か。君が彼らをそんなふうに呼ぶようになるなんて。
まぁいいけどね。確かに僕も少し冗談が過ぎたよ。ほら、そんな隅っこにいないでこっちへおいで。怖くない怖くない」


まるで犬でも呼ぶかのように、千はチチチと舌を鳴らした。


『プライベートで局に足を運ぶなんて、珍しいですね。どなたかに会いに来られたとか?』

「ご名答。独立することになりはしたけど、これまでの人脈が切れたわけじゃないから。懇意にしてくれてたプロデューサーに会いにね。
後は、彼らを少し揶揄いに」

「っ…!Re:valeの千、意地悪だ…!」


悠がふるふると震える。


「馬鹿、ハル!ユキ “さん” だろ!それに、先にRe:valeに意地悪したのは俺達の方だ。だから何言われても耐え」

「君らに意地悪された覚えはない」

「ひ…!す、すんません!」


意地悪。という表現が子供っぽくて引っかかったのか、千はトウマを睨み付けた。

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