第101章 運命の相手には、いつ会えるか分からない
「龍も きっと辛かったのに、その片鱗すら見せなかった。完璧に仕事を熟してたよね」
「あ、あぁ。そうだな。いつも通りの、龍だったよ。やっぱりあいつは、すげえ奴だ」
「うん。ボクもそう思うよ。
龍があれだけ頑張っているのに、キミが調子を崩したりしないでよね」
「!!」
「ボクは、この先どんなことが起ころうと…
キミたち2人を、信じてるから」
明日は、雨が降るのだろうか。天が笑って、俺達のことを信じていると…
いや、天にこんな台詞を言わせたのは、他でもないこの俺だ。こいつにここまで言わせてしまうほど、今の俺は頼りない顔をしていたのだろう。
確かに俺の中には、不確かで、綺麗じゃない感情が渦巻いているのかもしれない。しかし時間はかかろうとも、その気持ちに決着を付けてやる。
龍之介を巻き込むかもしれない。天を不安にさせるかもしれない。春人に迷惑を掛けるかもしれない。
だが、それでも大丈夫だと言い切れる。何故なら俺達は、仲間だからだ。
「安心しろ。大丈夫だ。この先なにが起ころうが、TRIGGERは、TRIGGERだ!」
「…ふふ、何それ。そんなの当たり前」
そして。プライベートで何があろうが、仕事には絶対影響を及ぼしたりしない。その決意を新たにする。
俺達は、3人揃っていれば大丈夫だ。4人揃えば、もう無敵だ。
「そういや、あいつの方は大丈夫だと思うか?やっぱり落ち込んでんだろうな」
「大丈夫でしょ。あの人は、そんなに弱くない。しばらくすれば立ち上がって、ちゃんとまた歩き始めるよ」
春人が1人で立てなくなっている姿を想像すると、胸の中心がツキンと痛んだ。
会いに、行ってみようか。電話をかけてみようか。そんな行動を起こしていれば、俺の失くした歯車も、いずれ見つかるかもしれない。
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