第101章 運命の相手には、いつ会えるか分からない
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奥に虎於が届く度、生理的な涙が滲む。
涙で歪んだ視界で、確認する。私に跨り腰を振る男。体躯が良くて、茶髪で、何より私の快感を優先してくれる、優しい男だ。
愛しい人に、私は両腕を伸ばす。そして、虚ろな頭で口走る。
『は、ぁ…ぎゅって、して…、キスし て! 龍 』
「っ…!!」
虎於は顔を歪ませて、刹那の間 動きを止める。その後すぐに、私を腕の中に閉じ込めた。そして大きな手で頭を包み込むと、自分の胸板に押し付ける。
「俺が…!俺なら、永遠にあんたを愛してやる!だから、俺以外は全部忘れろ!エリ…っ」
『う…うぅ、…っ、ふ…ぅっ、ごめ…ごめん、虎於っ、もう、大丈夫だから。抱いて、虎於。私のこと、めちゃくちゃにして、欲しいよ』
虎於は、零れ落ちる涙を全部 唇で拾ってくれる。そして精一杯の愛を囁きながら、私を優しく揺する。
「は…エリ、泣くな。俺はお前を、愛してる」
『あ、りがとう…。んん、っあ…、虎於…ありがとう』
私達は互いの身体を力強く抱き締めながら、温もりを分かち合う。ここに本物の愛は存在しなくても、今あるこの体温は紛れもない本物なのだ。
私は彼の腕の中で再度達し、彼もまた、私の中に確かな熱を放った。
虎於がこんなにも、穏やかに私を抱いてくれるとは思ってもみなかった。本当は、どこまでも優しい男なのだ。そんな優しさを貪った私だけが、どこまでいっても ただ汚い。