第101章 運命の相手には、いつ会えるか分からない
※
龍之介も、そうだった。丁寧に、慎重に、いつもこれを外してくれた。さらしを握るあの優しい指先を、私は一生忘れることはないだろう。
『っ、あ』
大きな上背を屈めて、虎於が頂を口の中に含む。ちゅっと音を立てて吸われると、声が勝手に突いて出た。
そして大きな手で、乳房全体を包まれる。2人は、手の大きさも似通っているのだろう。目を閉じれば、まるで龍之介に胸を触られているかのよう。
なんだか、たちまち愛おしい気持ちが込み上げて、私は目の前の男の頭をぎゅっと抱えた。
『も、っと…もっと、触って…、』
「あぁ。いくらでも」
虎於は、キスをしながら胸への愛撫を続ける。私は、さきほどから主張を始めた彼の肉棒へと手を伸ばす。ズボンのジッパーを下げ、窮屈そうに収まっていたそれを取り出した。
初めて触れるわけではないが、やはりその質量には警戒してしまう。以前とは違い、今日はこれを中に受け入れるのだから。
「……ッ、」
緩い力を入れて上下に扱くと、虎於は熱い息を漏らした。
大して広くないソファの上で、私達は互いを高め合う。
『あっ、そ こ…っ、』
「知ってる。ここだよな、あんたの弱いところ」
彼が私の中に触れたのは、過去たった1回。それで、よく覚えているものだ。虎於の指先は、的確にそこを突いた。私の揺れる腰を、彼は舐めるように撫でる。
どこをどんなふうに撫でられても、快感に変わっていく。私の体をこんなふうにした男には、もう触れてもらえないというのに。