第100章 お前、龍のこと好き過ぎだろ
壮五が、この2人隠れてちゅっちゅしてたよ〜!と、皆んなに言いふらすような展開にならなくて本当に良かった。大和、三月に続いて壮五も、万理が運転して来た車に乗り込んだ。
TRIGGERメンバーがタクシーを拾ってくれている間に、私は彼らの見送りをする。
万理はわざわざ、運転席から降りて来て口を開いた。
「今日はありがとう。せっかくの楽しい時間なのに、変なこと言ってごめん」
『ううん。万理が、私のことを思って言ってくれたの分かってるから』
「そうそう。俺はさ、ぶっちゃけて言うと お前が幸せになってくれるなら誰を選んだって構わないって思ってる。
なんなら、間を選んでみてもいいんじゃないか?」
にこにこと、万理は自分を指差して告げた。
『間…。間…?
は!まさか、タマちゃん!』
「どうやったらそこに行き着くんだよ!」
勢いのある突っ込みが入ったその時、車のウィンドウが開いた。中からは大和達3人が顔を出す。彼らと万理に別れを告げると、車は静かに夜の街向こうへと消えていくのだった。
私がTRIGGERの元へ戻ったのは、ちょうどタクシーが捕ったタイミングらしかった。停まっていたのは2台。
1台に天と楽が乗り、もう1台に私と龍之介が乗る。
そうして私達は、楽しい夜を経てそれぞれの帰るべき場所へと向かった。